幸せごはん日記

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【読書感想】柚木麻子「ナイルパーチの女子会」

柚木麻子さんの「ナイルパーチの女子会」を読了しました。

柚木さんといえば、ランチのアッコちゃんが知名度高いと思うのですが、アッコちゃんシリーズを読んだあとのさわやかで前向きになれる気持ちを求めこの本を読んではいけません^^;

まずは簡単な内容を

大手商社のキャリアウーマンである栄利子の楽しみは怠惰な毎日を軽やかに綴っている「おひょうのダメ奥さん日記」を読むこと。ある日、栄利子はブログを書いている翔子とカフェで出会う。女友達がいないという共通点で意気投合したかのように思えた2人だが、栄利子の翔子への狂気ともいえるような執着に、どろどろとした亀裂が入っていく。


昔とって大失敗したのと同じ行動を繰り返してしまう栄利子

同性の友達がいないことを必要以上に引け目に思い女友達を渇望する栄利子だけれど、相手の都合や思いを慮ることなく、ぐいぐいとテリトリー内に入りこみ干渉しようとするせいで、いったんは繋がったと思われる人も栄利子から離れていってしまうということが理解できなくて、翔子にも同じ行動をとってしまいます。

カフェで会って話がはずんだことは、栄利子にとっては奇跡のような美しい出来事で翔子にとっては、栄利子は数回会っただけの人であり日常のなかのひとこまの出来事にしかすぎない。

その思いの違いからどんどんすれ違い、亀裂が深まっていきます。


なんでそこでそんなことするのか、1番言ってはいけないことを言ってしまうのか、痛々しくてどんよりした気持ちになるのですが、栄利子が心の中で思っていることの中に共感できる言葉もいくつかあったりして、自分にも同じようなものが多少なりともあるんだろうなと、目を背けてしまいたい気持ちにもなります。

実家の家族のことで鬱屈を抱える翔子


ダメっぷりを軽やかに綴ったブログが評判を呼び書籍化の話も出て、夫との生活は怠惰だけれど平和に過ぎていく。ただ、自分のブログにはアンチはいないけれど、それは裏返すと誰からも羨ましがられていないことと同じだということを認識しています。


翔子はきらびやかでバリバリと仕事をする眩しい存在(だった)の栄利子と回転寿司に行ったときに、お皿のとりかたに戸惑う栄利子をみて胸がざらつき、ブログに嫌がらせのメールが届いたと話します。実際はそんなメールはただの1度ももらったことないのに。



そして、家族を捨てて逃げた母のことや自分は動かず周りの女性にやってもらうことばかりを要求する横柄な父親のことで強い鬱屈を抱えています。


ナイルパーチとは


最大で全長2 m、体重200 kgに達する大型の魚で、肉質も癖がない白身であることから、食用として需要が高く全世界に輸出されている淡水魚です。ただ、水産資源として各地に放流した結果、固有種の淡水魚が絶滅したりして生態系に深刻な影響が出ている。

Wikipediaより一部抜粋


栄利子は商社でこのナイルパーチの販路を整える仕事をしており、現地にも足を運んでいました。栄利子は言います。


「湖に放たれなければ、ナイルパーチも一生、自分が凶暴だなんて気づかなかったのにね」


この先に見える光


修復できない関係になってしまった栄利子と翔子だけれど、このままどんよりとした気持ちのまま終わるかとおもいきやラストはそれぞれ、この先に光が見えてくるかもしれないと思わせるような終わり方でした。


ずっと後になって町ですれ違ったとき、栄利子と翔子がさらりと立ち話ができるようになっていればいいなあと思い、少し重たいためいきをついて本を閉じたのでした(お風呂でのぼせそうになりながら)





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