【読書感想文】<堕ちる> 林由美子さん
【堕ちる】 林由美子さんを読みました。
2016.6.17読了
内容(「BOOK」データベースより) 郊外の一戸建てに住む主婦、純代は、夫の脩一と一人娘の佳乃と共に、平凡ながらも幸せな毎日を過ごしていた。ある日、パートのシフトカットを受けて、家の不用品をオークションに出そうと考えた純代は、スーツケースのなかから見知らぬセーラー服を見つける。パート先で聞いた制服泥棒の話が頭に浮かび、純代は夫への疑念を抱くが―。主婦の転落人生を圧倒的なリアリティで描いた、傑作サスペンス小説。amazon内容紹介より抜粋
表紙の女性のイラストが怖くてお花や涼やかなドリンクでカバーしたつもりだけれど、やっぱり怖い(^^;
どこまで堕ちてゆくの?
ジェットコースターのような勢いで主人公がどんどんと堕ちていくのを見て(読んで)いられなくて、何度も本を閉じたり宙を見て自分を落ち着けてみたり(^^;;
そっちを選んだらダメってわかってる道へどんどんと進んでいく主人公にあぁ~そっちじゃないのに、いまこっちに修正したらまだ戻れるかもしれないのに。って場面がたくさんあってはらはらとページをめくるが止まらないほど物語の中にはまりこんで、どんより疲れました^^;
特別な登場人物はみんなどこにでもいそうな人ばかり。
どこにでもいそうなパート主婦の純代がひょんなことから夫の性癖に気づき、娘がねだる若い子向けブランドの洋服を買ったり習い事をさせるための金策に悩み、怪しい化粧品販売のセールスに手を出し挙げ句の果てに犯罪に手を染めて。
どこにでもいそうな登場人物が、もしかしたら誰でも陥ってしまうかもしれない状況に置かれる設定が(夫の性癖は別として)なおさら怖さを倍増させます。
ラストは想像もしなかったオチで呆然としてしまいました。離婚を恐れず夫と、また娘とも向き合って話していたらこんなことにはならなかったのだろうな。